2015年1月15日木曜日

ハーバードビジネススクール生が途上国でコンサルティング

こんにちは、みつです。

HBSの授業は全てケースメソッドで行われるというのが有名ですが、実は唯一例外があって、それが課外授業であるFIELDという授業です。この授業は、その名の通り、教室の外(フィールド)に飛び出して、さまざまな体験の中から学習していくものです。

FIELDは3つのシリーズからなっており、
  • FIELD1: グループワークを通したリーダーシップ研修
  • FIELD2: 途上国でのコンサルティング
  • FIELD3: スモールビジネスの立ち上げ

となっています。1年の今の時期がちょうどFIELD2となっていて、今日はFIELD2についてご紹介しようと思います。

FIELD2では、1年生900人の学生がクラスをまたいだ5-6人1チームで世界12ヶ国の途上国に行って、現地企業のコンサルティングを行うものです。対象の国は、中国、ベトナム、カンボジア、マレーシア、インドネシア、インド、トルコ、モロッコ、南ア、ブラジル、アルゼンチン、ペルーなど各大陸にまたがり、生徒たちは自分と縁のある国は選べないことになっています。そんな全く知らない土地で、生徒たちは期間中の約1週間、クライアント企業とのミーティング、現地顧客のへのインタビュー、アイデアの立案、クライアントへのプレゼンテーションをして過ごします。

僕は、まだ行ったことがなく、今後も行く機会の少ないであろうアフリカの国に行きたいと思い、モロッコを選びました。そして、同じようにモロッコを選んだ学生の中から、学校側が指定して、クラス以外のメンバーとチームを組まされます。HBSではだいたいクラスで仲良くなるため、こうしたクラス以外の生徒と仲良くなるのはとても貴重な機会です。メンバーは、アメリカ人3人(マッキンゼーからPE、Google、ベンチャー)、マーケティング企業に務めていたアルメニア系カナダ人、そして、すでに自分の会社を売却してその資金でVCをしていてなぜHBSに来てるかわからないアルバニア人。笑 皆ほぼネイティブで英語には苦労しますが、僕が何かしゃべると「皆ちょっとまって!みつがなんか言ってる!」と耳を傾けてくれます笑

担当する企業とプロジェクトのトピックも学校側から発表されます。企業は現地の企業だったり、現地の市場に入ろうとするグローバル企業だったりしますが、僕らの場合は、世界的なカード会社で、現地でのデビットカードの浸透率が低いため、どのようにより多くの人々に利用してもらうか、というのが課題でした。

生徒たちは、1月4日に現地入りして、5日は初のクライアントミーティングにて顔合わせをします。そこからは、12日の最終プレゼンまでどう過ごすかは各チームに委ねられます。僕らのチームはクライアントミーティングが終わった直後から、さまざまな場所でカスタマーインタビューを行っていきました。モダンなショッピングセンターから、道ばたの電器店、路地裏の薄暗いカフェまで。各チームには、通訳兼ガイドのような方がついてくれるのですが、彼がいないとちょっとこわくてなかなか旅行者では行けないようなところまで踏み込んで、本当の現地の人々がどのような生活をしていて、どのような消費者行動をしているのか徹底的に調べます。

その中から、顧客のセグメンテーションや各セグメントのニーズ、現金/カードに対する不満など様々な情報を集めていきます。これらの情報を元にチームで議論を重ね、今のクライアントの状況に照らし合わせて、最適なプランを練っていきます。

余談ですが、ある程度カスタマーインタビューを行ってきたところで、ある程度パターンが見えてきて、「あぁ、市場にはこういう人たちがいて、それぞれこう思ってるんだ!」みたいな感覚が出てくるのですが、この感覚をクライアントにもぜひ経験してもらい、実際の顧客を知ってもらおうと、一緒にカスタマーインタビューに連れ出したこともありました。本人は日頃のデータからは見えてこない生の声に驚いて、たいへん喜んでいました。

また、週の半ばには、クライアントたちを一堂に集めて、クライアントウェルカムディナーを行いました。ディナー後、クライアントのヘッドが自分の車で僕らをカサブランカの街を案内してくれて、おまけに素敵なバーでカクテルまでご馳走になり、逆にすっかりウェルカムされてしまいました。お酒の席では、昼間のビジネスの話もなく、フランスで教育を受けた彼は終始僕らの一人ひとりに「パートナーとどこで知り合ったか、どうやって口説いたか」について聞き出していました。笑

発表前の週末は、HBS内で発表会を行い、お互いにフィールドバックをして、翌日の最終プレゼンに向け、さらに質を高めていきます。僕らのチームは、「カスタマーインタビューの結果と最終提案の結びつきが弱い」という手厳しいフィールドバックをもらいました。これらの受け、さらに資料の手直しをして、翌日のプレゼンに臨みました。

プレゼンは、随時質問を受けながら終始和やかに進み、カスタマーインタビューからの洞察とそれを受けた対策プランに大変満足してもらうことができました。クライアントとは昼食をした後に別れ、ホテルで学校に対するレポートを提出し、プログラムが終わりました。

FIELD2では、知らないメンバーに知らないクライアント、知らないビジネス領域、知らない地域と何もかもわからない状態でスタートするという、コンサルティングをやる上では絶対に避けるべき状況に無理やり入れられ、その中でなんとか価値を生み出していくという貴重な経験を得ることができました。ここで得られた学びはまた別途書きたいと思います。

最後にまた余談ですが、FILED2では皆それぞれに旅程を組んでいて、プログラムの前にスペインで年越しをしたり、プログラム後に旅行をしたりしています。そんな僕もプログラム後1週間はモロッコに残って旅行をする予定です。明日から2泊3日で砂漠ツアーに行ってきます!ではまた!

チームとカスタマーインタビューをしたスーパーにて

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